東村山福音自由教会 ✞ Sunrise Chapel: 今日があなたの救いの日
主が人の子らを、意味もなく、苦しめ悩ませることはない。(哀歌3:33)

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2019/12/25

今日があなたの救いの日

ルカ19:1-10「今日があなたの救いの日」

 クリスマスはサンタの日ではなく、私たちの救い主、イエス・キリストがお生まれになった日です。サンタがくれるプレゼントも嬉しいことは確かですが、それはやがて消えて無くなる物です。

 しかし、決して無くならないプレゼントを今日、皆さんに差し上げたい。それはイエス・キリストがくださる「永遠の愛」というプレゼントです!キリストは、迷子の羊をどこまでも捜し求め、暗闇、恐れ、不安、絶望、孤独から救うために来られました
 

 ザアカイという迷子の羊に「キリストの愛」というクリスマス・プレゼントが届けられた出来事から教えられます。ぜひ、神様から愛のプレゼントを受けましょう!

 エリコという町に、ザアカイというユダヤ人がいました。彼は2節によると「取税人のかしら」で、「金持ち」でありました。税金集め役人のリーダーという肩書と多くのお金を持っていたということです。ただ、そのお金は決してきれいな物ではありませんでした。
 
 過剰に税金を集めて自分の懐に入れたり、脅し取ったりすることも少なくなかったようです。そういうわけで彼には肩書とお金はありましたが「本当の友達」はいなかったのではないでしょうか。彼には自分をありのままで受け入れ、愛してくれる存在がなかったのです。

ですから、もし万が一お金がなくなれば、誰も自分に寄りつかない。離れて行ってしまうのではないかと見捨てられ不安があったことでしょう。本当は孤独で仕方がなかったはずですお金や物に固執してしまうのも、心が満たされていないがゆえではでないでしょうか。不安と恐れ、孤独が強いからこそ、心の空洞を何かで埋めようとしてしまうのです。皆さんにはそんな経験はありませんか?

知人牧師がこんな経験をある紙面に書いていました。彼が家族とディズニーランドに行った時のこと。ある男の子を見つけました。彼はブランド物の高そうな服を着ている。頭にはミッキーの帽子。キャラクターのポップコーン容器をぶらさげ、右手には玩具、左手にはお菓子。その外見だけ見れば、彼はとても裕福で幸せそうです。
 
それなのに、その子は大泣きしていたのです。なぜでしょうか? 
 
親と離れ離れになってしまったからです。
 
この子は迷子になって初めて「ある真実」を経験したと言えるでしょう。
 
それは、ブランド服もおもちゃもお菓子もディズニーランドという空間も、「愛の代わりにはならない」ということです。
 
どんなにお金を集め、良い肩書を得て、高価な物を所有しても、本当の意味で愛されていないのならば、私たちの心は決して満たされることがないのです。

ザアカイはまさにそのような孤独な人でした。このままであれば、彼はむなしく滅びる人生を歩むことになったでしょう。しかし、彼にすばらしいクリスマスが訪れます。

イエス・キリストとの「出会い」です。人生は出会いで決まると言われるほど出会いは大切です。私たちの出会いには決して偶然はなく、神の導きであり、この出会いから何かが始まると私は信じています。

さて、ザアカイの住んでいた町エリコに、クリスマスの主役イエス・キリストが来られました。ところがキリストはその時、今をときめく大スター!
 
イエス様のまわりには群衆があふれていました。朝から夜遅くまで、イエス様のもとにはひっきりなしに人が訪れるほどでした。そんなイエス様が町にやってきたので、ザアカイもひと目見たいと思ったのです。しかし、友達もいない嫌われ者のザアカイです。群集をかきわけて入ろうとしますが、誰も入れてはくれません。おまけに彼は背も低く、後ろの方から背伸びをしても見えませんでした。それでどうしたのでしょう?4節。

4節 それで、先の方に走って行き、イエスを見ようとして、いちじく桑の木に登った。

彼はお世辞にも長いとは言えない手足で、必死に木に登りました。早くしないともう行ってしまうかも知れないと・・・。
 
でも、どこかでこうも思っていたのではないかと想像するのです。
俺は何をしているんだ?偉大な神の子が俺のことなど相手にしてくれるはずもない。こんな孤独で嫌われ者の俺。木の上から見たからと言って何が変わる?

 もしかしたら、教会に来たところで何が変わる?と思う人もいるかもしれません。しかし、キリストは他の個所で「求めなさい。そうすれば与えられます」と語っておられます。

 少なくともザアカイはイエス様を求めたのです。
 
 すると、どうでしょうか。5節のところにこうあります。 
5節 イエスはその場所に来ると、上を見上げて彼に言われた。「ザアカイ、急いで降りて来なさい。わたしは今日、あなたの家に泊まることにしているから。」

 なんということでしょうか。神の子イエス様が、足を止めて上を見上げられただけでなく声をかけてくださったのです。それどころか、イエス様は「ザアカイ」と名前を呼んでくれました。誰にも心に留めてもらえない自分なのに、名前で呼んでくれるんなんて?  
 
聖書では神様が私たちの髪の毛の数までご存知であると語られています。イエス様は彼を知り、彼の心の中も知っておられたのです。そして、これまで彼がやってきた罪深い行いまでも、多くの人から決して好かれていないことも、みな知っておられたのです。
 
その上でイエス様は彼にこう言ったのです。「ザアカイ、急いで降りて来なさい。わたしは今日、あなたの家に泊まることにしているから。」 
 
 思いつきではありません。そのつもりでこの町に来たのです。はじめからザアカイを捜して、彼を救うために来たということです。自分勝手に生きて来た孤独で強欲なザアカイ。友人もいないような人。背も低いので見栄えもしなかったかも知れません。でも、イエス・キリストは彼を愛し、彼の名を呼び、彼とともに過ごすために来られたのです。ここに神の無償の愛があります。私たちが魅力的だからイエス様が愛してくれるのではないのです。何もない私たちなのに愛してくださる無条件の愛です。
  昔、不良で暴走族をしていて現在牧師をされている方の話をある記事で読みました。彼はシンナー、覚醒剤、窃盗や鉄パイプやナイフを持ち出しての抗争などの問題で、4度も少年鑑別所に入ったそうです。

 
実は小学生の頃、彼の深い傷となる出来事があったそうです。母子家庭の中でお母さんから言われた言葉でした。「もしお兄ちゃん(長男)が亡くなったら、私は頭がおかしくなってしまうかもしれないが、アナタが死んでも泣くくらいだ」と。
 
女手一つで自分たち兄弟を育ててくれたことには感謝をしていたけれども、この言葉だけは悲しくてその後の人生に暗い影を落としたと言います。
 
 けれども、彼が19歳の時、裁判所で4度目の「少年院送致」の判決が出た途端、傍聴に来ていたお母さんが泣き崩れながら言ったそうです。
「私が悪かったんです!私の育て方が悪かったから、この子がこんな悪いことをするようになってしまいました!私をこの子の代わりに刑務所に入れてください!と嗚咽(おえつ)しながら泣き叫んでいる声が聞こえたのです。
 
 彼はその時、母親から愛と心からの謝罪を感じたのです。彼はこの後鑑別所において聖書と出会い、神を本気で求め始め、やがて牧師にまでなられたのです。
 
 同じように苦しむ若者たちの助けになろうと歩まれています。
 
 結局のところ、彼が「問題行動」を起こし続けていたのは、自分の存在をそのまま受け入れてくれる愛を求める「叫び」、「承認欲求」だったのではないかと思うのです。自分がここに居ることを必死にアピールし認めてほしいゆえの行動です。愛されたいゆえに行動です。愛が欲しかったのではないでしょうか。

 お母さんの愛と本気の謝罪。それが彼が変わるきっかけであり、聖書の神の愛に触れて人生をやり直すことができたのです。
 
 ここでもザアカイが人生をやり直し始めています。
 6節にあるように、ザアカイは喜んでイエス様をお迎えしたのです。ザアカイも自分では気づかなかったのですが、彼が本当に求めていたものは、お金や物や地位ではなかったのです。罪深い自分を赦し、受け入れてくれる「変わらない愛」を求めていたのです。

 ザアカイはキリストと出会い変わりました。彼は今まで自分のことばかり考え、時には汚いことをして財を得たことを心から悔い改めたのです。彼はもはや、肩書とお金に心を囚われて孤独に自己中心に歩むことをやめ、「キリストの愛に生きる決心」をしたのです。

その時、イエス・キリストは宣言なさいました。
9-10節 イエスは彼に言われた。「今日、救いがこの家に来ました。この人もアブラハムの子なのですから。人の子は、失われた者を捜して救うために来たのです。」 
今日があなたの救いの日だと言われたのです。

 クリスマスは、キリストが迷子の私たちを救い出し、神との親しい愛の交わりに回復させるために来られた記念です。この愛こそが、あなたへのクリスマス・プレゼントです。神様は永遠の愛のお方ですから、心変わりすることも見捨てることもありません。いつまでも残る愛のプレゼントをぜひ受け取ってください。

この世のどんな物を手に入れようと、世界のすべてを得ようと、この愛の代わりには決してなりません。神様はあなたを愛しておられます。
 

 クリスマスは、こうしてキリストが迷子の私たちを救い出し、神の愛の交わりに回復させるために来られたお祝いです。この愛こそが、あなたへのクリスマス・プレゼント。この愛は心変わりしない永遠の愛。ぜひ信じて受け取ってください。神はあなたを愛しておられます。


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