2020/01/12
天の宝を所有するために、今をどう生きるか
イエスはこれを聞いて、彼に言われた。「まだ一つ、あなたに欠けていることがあります。あなたが持っている物をすべて売り払い、貧しい人たちに分けてやりなさい。そうすれば、あなたは天に宝を持つことになります。そのうえで、わたしに従って来なさい。」(ルカ18:22)
すべての教えを守って来たと誇る金持ちの指導者がいました。彼は自分こそ永遠のいのちを得るにふさわしいと思い込んでいたのでしょうか。律法の戒めは、少年時代からすべて守ってきたと豪語しました。
しかし、イエスはあなたに足りないものがあると言われます。
それはあなたの多くの財を売り払い、貧しい者たちに分け与えよという指導でした。それは彼が無一文になることを命じるというよりも、彼が富に支配され、手放せない弱さを持っていたからです。
彼の周囲には、今日食べる物にも困り、餓死していく兄姉がたくさんいたはずです。あり余るほどの富を持つ彼が、そうした人々のために神からあずけられている財を全く用いようとしないところに、彼の自己中心の姿がありました。お金ばかりを愛し、神と隣人を愛するという姿勢が決定的に欠けていたのです。
彼はこのことばを受け入れられず悲しみにくれました。
神の代わりに富を第一としていたからです。
「永遠のいのち」という神の国の富は、この世の富を正しく管理する者にこそ任される大きなものです。この世の消え去る小さな富を忠実に管理できない者に、神はより大きな永遠の富を任せることはなさいません。
富に支配され虜になるのではなく、富を神のみこころに沿って正しく管理し、豊かに用いて恵みを増やし、天に永遠の宝を持てる者とさせていただきましょう。
実に、そのようにして任されている財を神のみこころに沿って用いるのならば、神はその人にこの地上においても「何倍も」報いてくださいますし、天においても宝を豊かに備えておられるのです。