*** 10/6(水)祈祷会 説教概略 ***
アモス書1章1-2節「アモス書を知る」
1. 著者
テコアの牧者(羊飼い)アモス。
テコアはエルサレムの20キロほど南に位置する小さな町。
(下の地図、四角で囲まれたところ)
アモスは預言者でもなく、預言者の子でもなかった。
祭司でもなく教師でもなく、ひとりの羊飼いに過ぎなかった。
2. 時代背景
アモスが活躍した時代は紀元前760年頃~。
活動期間はそれほど長くなく、760~755年のうちに数年、短かければ1年ぐらい?
「あの地震」とは、ウジヤ王時代にあった大きな地震。ゼカリヤ書14:5には「ユダの王ウジヤの時に地震を避けて逃げたように・・・」とある。避難生活を余儀なくされるほどの大きな地震で、有名な地震であったので「あの地震」と表記したり、回顧する際に引き合いに出されたのだろう。
3. 目的、概要
テコア出身という事実が示すように、アモスはユダ王国の牧者であった。それにもかかわらず、その幻の内容は北イスラエル王国のことであった。実はこの時代は、アッシリアの力があまり強くなく、ソロモン時代に匹敵するほど南北イスラエルは力を持っていた時代で、繁栄の絶頂期であったと言える。ゆえに、自分たちの国が滅亡に近づいているという真実をほとんど想像することはできなかった。実に、このような時こそ危険であることは歴史が証明している。ところが、そのような絶頂期から30年もしないうちに、北イスラエルはアッシリアの手に落ちてしまう。それに続いて南ユダもバビロニアに滅ぼされていく。人の繁栄の儚さ、むなしさを改めて教えられる。
4.神の愛の叫び
1-2節
後半も同じように、「羊飼いの牧場は渇き」が1行目、「カルメルの頂は枯れる」が2行目となり、この2行がやはりセットになっています。今の時点では想像さえできなくとも、近いうちに北のイスラエル王国は「渇き、枯れる」というわけです。
つまり、いのちを失う。滅びていくというメッセージです。主はもちろん、そうしたいのではなく、このままだとそうなる・・・だから、そうならないよう願うのです。悔い改めて、神に立ち返るようにという愛のメッセージでした。
先ほど触れましたが、絶頂期にいる人間は他の人のことばに耳を傾けない(もちろん神のことばにも)。こういう現実が少なからずあるものです。
日本も高度成長期、バブル期には、将来の行き詰まりは想像できなかったことでしょう。調子に乗り、将来の危機への備えができませんでした。
それは個人レベルでも同様でしょう。私たちにはピンと来ない、そのような先回りしての主のおことばがあります。でも、大切なことは、わからなくても心に留めておくことです。処女マリアが最初よくわからなかったなりに、心に留めて思い巡らしていたように。私たちも主のことばに対しては、今わからなくても信じて心に留めておくことが、危機への最高の備えになるでしょう。