東村山福音自由教会 ✞ Sunrise Chapel: ルツ記「ルツとボアズ 異邦人の血を引く二人」
主が人の子らを、意味もなく、苦しめ悩ませることはない。(哀歌3:33)

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2022/07/28

ルツ記「ルツとボアズ 異邦人の血を引く二人」

 *** 7/27(水)祈祷会 ***
ルツ記「ルツとボアズ ~異邦人の血を引く二人~」

聖書人物シリーズ、今日は最終的に夫婦になった「ルツとボアズ」です。
この二人の特徴は、どちらも純粋なユダヤ人ではないということです。
ボアズは異邦人の母(ラハブ)を持ち、ルツは自分自身がモアブ人でした。この夫婦の「ひ孫」がダビデ王となり、後には救い主イエス様がこの血筋から生まれて来るということですから、とても興味深い夫婦であります。

時代としては士師記と同じ頃の話。
士師記の特徴としては、各自が自分の目に正しいと思うことを行っていた、「混乱していた時代」ということです。あるイスラエル人家族が、飢饉があったために約束の地カナンを離れて、モアブに移住してしまいました

この地で夫エリメレクは死に、妻ナオミと二人の息子が残されました。モアブの地にいる間に、この二人の息子はそれぞれモアブ人の妻を迎えました。オルパとルツという妻でした。しかし、10年もするとこの二人の息子もそれぞれ亡くなってしまったのです。

こうして義理の母と二人のお嫁さんという女性ばかりの家族になってしまいます。背景には、飢饉があったとはいえ、神の祝福が約束された場所を安易に離れてしまったことが挙げあれます。主のみこころから離れたことが、祝福を失う始まりだった可能性は否定できません。

ですから、主の地に戻ることを通して、彼らはまた新しい祝福の歩みを始めて行くことになるのです。イエス様はブドウの木で私たちは枝だとヨハネ15章にありますね。自分たちの力でどうにかできると過信して、ぶどうの木イエス様から離れると、実を結べなくなるのだと語られています。みことばから離れる、教会から離れる・・・そのことが自分の目に正しいと思えたとしても、それは主の望まれる道では決してないのです。

どんな時でも、主のもとに留まることです。苦しい時こそそうしたいのです。


そして、モアブ人は、聖書の神から離れ、罪深い歩みへと進んで行った民です。

家族そろって流される危険もありました。

しかし、特にルツはナオミの信仰から、よく学び、まことの神様を信じて、救われていきました。ルツの信仰の決断は、この後の回復につながっていきます。

それぞれの夫が亡くなった時、実家に戻る選択肢もありました。実際、弟嫁オルパは、ナオミの説得によって自分の故郷に帰ることにしました。

ところが、兄息子のお嫁さんだったルツは、ナオミの説得に応じないでこう言います。

16 ルツは言った。「お母様を捨て、別れて帰るように、仕向けないでください。お母様が行かれるところに私も行き、住まれるところに私も住みます。あなたの民は私の民、あなたの神は私の神です。 
17 あなたが死なれるところで私も死に、そこに葬られます。もし、死によってでも、私があなたから離れるようなことがあったら、主が幾重にも私を罰してくださるように。」 

ルツは変えられていました。16節で彼女は言います。「あなたの神は私の神です」 

異邦人の背景を持っていたけれども、そこから悔い改め、まことの神様を信じたのです。

「あなたの神」でしかなかったところから、「私の神」と信じるようになりました。

そこにはナオミの信仰の証しが確かにあったのです。

そして、知った後は、もう偽りの神に戻りたくないと考えたのです。それゆえに、ルツの物事の判断の基準もかつてのものとは違うものになりました。おそらくかつては、自分の気持ちとか周囲の人の意見で決めてきたことでしょう。しかし、17節の最後にこうありますよね。「私があなたから離れるようなことがあったら、主が幾重にも罰してくださるように」と。ルツは、この状況において、義理の母ナオミ一人を残して、自分だけ故郷に帰って自由に過ごすことを、主の前に正しいことだと思わなかったのです。


特に、ここでは、死によってでも離れないということは、同じ主の御国の約束の中にともにあるということです。もちろん、同じ墓に入るという意味があるわけですが、霊的には同じ主のふところに導かれ、いつまでも別れがないということになります。

ここでルツまでもナオミを見捨てたら、ナオミはおそらく一人で生活していくことに、大変困るでしょう。それでも、ナオミはお嫁さんたちに迷惑をかけたくないとの優しさで、故郷に帰って良いのだと伝えたのです。ルツはその優しさも信仰から来るものだと理解していたのかも知れません。こうして、ルツは夫を失った後も、義母ナオミと一緒に歩むことにし、ベツレヘムに戻って参りました

2章に入ります。  

 ただし、夫を失った、つまり男手を失ったこの親子は、とても苦労することになるのは目に見えていました。当時の社会は男性社会で、女性はなかなか働くということができませんでした。

 幸いにも、イスラエルでは「落ち穂拾い」という習慣がありました。神様が定めたもので、未亡人など生活困窮者らのために、収穫時に落穂は拾い集めず残しておくというという神様の優しい教えがありました。それはただもらうのではなく、労働を通して糧を得られるという意味でも配慮でした。

ルツは落穂ひろいに行くことになりました。そして、その落穂ひろいに行った先は3節にあるのですが、「はからずも」、ナオミの夫エリメレクの一族のボアズの畑だったのです。「はからずも」を漢字で書くと「計らずも」ですね。計画になかったがという意味です。

人間には予測できない事で、「たまたま」「偶然にも」と訳せます。ただ、そこに主が介入しておられるのですから、信じる者にとっては「たまたま」「偶然」ではなく、「はからずも」「予期せぬことでしたが」、主はご計画されていたという意味になります。

この点は本当に大切なことですよね。私たちは幸運だった、ラッキーだというのではなく、偶然ということばで済ますのでもない。

すべてのことに「神様のご計画」があると信じて歩む者です。ですから、私たちにとっては「はからずも」と前置きしつつも、主はすべてをご存じで、良い計らいをもって導いてくださったと証しすることができるのです。

創世記50章に、神様は「人の悪意でさえ、良いはからいとしてくださった」というヨセフのことばがあります。まさに、主は良いお方であって、私たちの思いや想像を超えて良いみわざをなしてくださるのですよね。

ルツは主を信じ、主のみこころを大切にすることで、義母ナオミを愛し、支え、そして神の祝福の地へと戻って来た。困難が予想されたけれども、主に従う歩みの中で、その良いはからいをいただき、守られて行くのです。 

8節 ボアズはルツに言った。「娘さん、よく聞きなさい。ほかの畑に落ち穂を拾いに行ってはいけません。ここから移ってもいけません。私のところの若い女たちのそばを離れず、ここにいなさい。 

ボアズはとても親切にしてくれたことがわかります。これに対して、ルツはこう答えています。10節です。

10節 彼女は顔を伏せ、地面にひれ伏して彼に言った。「どうして私に親切にし、気遣ってくださるのですか。私はよそ者ですのに。」 

 どうして、よそ者(外国人)の自分にやさしくしてくださるのか?ルツは不思議で仕方なく、ボアズにたずねたのでした。それに対してボアズは答えました。 

11節 ボアズは答えた。「あなたの夫が亡くなってから、あなたが姑にしたこと、それに自分の父母や生まれ故郷を離れて、これまで知らなかった民のところに来たことについて、私は詳しく話を聞いています。 

 ルツがしてきたことを聞いて知っていると言うのです。それは、主のみこころにかなった歩みです。だから、主がその歩みに報いて、祝してくださるとボアズは確信し、自分もそこに参与していこうとしているのです。私たちも神様が働かれるところに、積極的に参与していきたいものです。

 それと同時に、ここにも主の深いはからいがあったと言えるでしょう。ボアズは最初にお話ししたように、異邦人の母を持つ人物です。彼の母親は異邦人でありながら、心から改心してこの民に加わったラハブでした。娼婦という背景を持ちながらも、ラハブは心から主を信じるようになり、変えられてきたのです。

 どのような民族であろうと、どんな背景を持とうと、主を信じて歩もうとする者は誰でも祝福を受け、幸せになることができるのです。そこに何ら差別はないのです。ボアズは母を見ながら、それを学んできたのです。

 ですから、ルツに対して、他の人の畑に行かず、いつもうちに来なさいと親切に守ってあげることを約束したのでした。


 やがて、二人は結婚します。よく考えてみると、ボアズは母親が異邦人、ルツは自分自身が異邦人。なんと、ユダヤ人のコミュニティにありながら、どちら側からも異邦人の血が加わっているのです。そして、二人の間にオベデという子が生まれ、そして、このオベデの孫がダビデです。ここにも主の豊かな「はからい」があったと言えるでしょう。

 まさに、人の思いを超えて(はからずも)、このような異邦人の背景を持つ二人が結ばれ、その血筋からダビデ王というイスラエル最高の王が生まれ、さらに救い主の誕生がその先に起こるのです。

 人の思いを超える主の救いのみわざです。私たちの計画はそうそう思い通りにいきません。しかし、主のはからいは、私たちの考えをはるかに超えて良いもので、必ず計画通りになります。ですから、主の良きはからいにいつも目を留めて歩みましょう。



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