東村山福音自由教会 ✞ Sunrise Chapel: コロサイ3章1-4節「上にあるものを求めよう」
主が人の子らを、意味もなく、苦しめ悩ませることはない。(哀歌3:33)

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2022/09/13

コロサイ3章1-4節「上にあるものを求めよう」

 *** 9/11(日)主日礼拝 説教概略 ***

コロサイ3章1-4節「上にあるものを求めよう」


 教会には色々な方が来られます。悩みのご相談に来られる方、教会堂を見学される方、牧師と話をしたいと相談に来られる方。礼拝堂でお祈りされる方もいらっしゃいます。喧騒を離れ、心を落ち着かせたい、導きが欲しいと祈られます。

 実にあらゆる世代の方が、様々な必要を覚えて来られます。
 また、昨日は、教会開放日がありました。小学生たち、中高生たちが集まり、大学生や大人の皆さんが一緒に遊んだり、語り合ったり、そして神様に心を向ける時を共有しました。

 世代にとらわれずに、子どもからお年寄りまで、同じ神様のもとに集い過ごす交わりは、作ろうと思って簡単にできるものではありません主が臨まれる教会ゆえに、主の招きの中で与えられる豊かさです。

 このように教会は、この地上で人々に開かれています。そして、この地上にありながらも、天にあるものをもたらすために存在しています。キリストが「わたしの教会を建てる」と言われたように、教会はキリストに属する存在だからです。

 「教会だからこそ得られるもの」、「教会でなければ得られないもの」

 これを私たちは見失わず、大切な、大切な宝として持ち続けたいと願います。

 ある宣教師が「人は永遠のものに触れた時に、心から感動する」と言われましたが、教会にはその「永遠のもの」がゆだねられています。名声、知識、富、権力、この世ではそれらが求められますが、どんなに積み重ねてもやがて消え去るものばかりです。

 キリストが私たちにいのちをささげて、与えてくださった恵みは、いつまでも続く「永遠のもの」です。私たちも下にあるものを求める歩みから解放され、上にあるものを求める者となりましょう。またそれを人々に現わして参りましょう。

 

1. 上にあるものとは

 1-2節をご覧ください。このように語られています。

1節 こういうわけで、あなたがたはキリストとともによみがえらされたのなら、上にあるものを求めなさい。そこでは、キリストが神の右の座に着いておられます。2節 上にあるものを思いなさい。地にあるものを思ってはなりません。 

 上にあるものとは何でしょうか。

 1節の後半にヒントがあり、「そこでは、キリストが神の右の座についておられます」とあります。ここでの「上」とは、父なる神とキリストの御座であることがわかります。神の御座にあるものを「求めなさい」また「思いなさい」と語られているのです。哲学者・数学者でもあるパスカルは、「人の心には、神のかたちをした空洞がある」と言いました。それは神から与えられる愛をもってしか、満たすことのできない空洞です。人はその空洞が満たされていないと「むなしさ」を感じたり、「何かが足りない」と感じたりするようにデザインされているのです。

 この手紙の著者パウロは、読者であるコロサイの人々に、「キリストとともによみがえらされたアナタだからこそ、もう下にあるものを求めず、上にあるものを思いなさい」と教えたのです。

 ヨハネ3章で、大変優秀なラビであったニコデモが真理を知りたくてイエス様のもとを訪れました。ところがニコデモは常に下からの問いかけをしていました。一方、イエス様は上からの真理をお答えになっているので、話がかみ合いません。ヨハネ33節を開いてみましょう。イエス様はニコデモにこのように語られています。イエスは答えられた。「まことに、まことに、あなたに言います。人は、新しく生まれなければ、神の国を見ることができません。」 ここにある「新しく生まれなければ」のところ、脚注がありますが「上から生まれなければ」とも訳せます (大切な脚注だと思います)

 実に、上にあるものを知る者となるためには、新しく上から生まれる必要があったのです。かみ合わない理由がここにありました。

 上、つまり神によって新しく生まれた者だけが、神の国の景色を見始めるのです。そこにある愛、真理、価値観に目が開かれていくようになります。キリストと一つにされたクリスチャンは、上から新しく生まれた者となったのだから、主の御座から来るものを求め、またそれをこの地に分かち合うのです。

 

2.新しい価値観をもってこの世界で生きる 

 しかし、誤解してはいけないことがあります。

 2節にある「地にあるものを思ってはなりません」とは、この世から離れて山奥で隠遁生活をせよと言っているわけではないのです。この世にあるものにことごとく反対せよということでもないのです。

 むしろ、私たちはこの地上にしっかりと足をつけて歩むべきであります。ただし、この世界を造られ、その真理を知っておられる神様を通して、この世界を見る者になりなさいということです。「神の視点でこの世界を見る者になる」ことです。

 そうすると、この世界にあるものに反対するのではなくて、むしろ、この世界にあるものの本当の価値を知るということになります。真の価値を神様から教えられ、その恵みを感謝して味わい、この世界に伝えていくのです。

 それが先に救われた者の使命・特権です。それは下からの問いに、下からの応えを返すのではなく、上にあるものをもって応えていく者となることです。

 例えば私たちは、自分の生きて来た人生、過去を振り返る時、様々な傷や後悔がありますよね。そして、思い出すのも苦しいような大失敗、大きな罪、あるいは傷つけられた痛みもあるでしょう。この世の価値観では、大抵の場合、それらは負の出来事としてカウントされていると言えます

 けれども、キリストを知り、神の国の価値観を知る時、上からの知恵をもって過去を捉えることが出来るようにされていきます。私自身も経験してまいりました。確かに過去は変わりません。既に起こったことですから。

 けれども、その過去をどのように見るのか、どのように受け止めるのか。それは変えることができるのです。私はそれを「福音によって過去を贖う」と表現します。自分の過去を神の視点によって、恵みの中に買い戻すということです。とても大切な作業です。

思い出したくもない過去から、私にとって必要で大切な過去へと見方が変えられていくのです。それがあるから、今の私がいるのだと・・・。

ローリン・ウィリアムスという元100m走のメダリストがいます。当時世界最速と言われました。ただ、彼女はオリンピックのリレーでは2大会続けてバトンミスをしてしまいました。ショックも大きく、しばらく競技を休んだそうです。それこそ思い出すのも苦しい過去の傷でしょう。ところが、彼女はその期間に友人のクリスチャンを通して聖書を学び、クリスチャンになったのです。それによって、今までは金メダルがすべてと思って生きて来たけれど、もっと違う生き方があると気づかされました。それによって陸上に復帰して非常に充実した選手生活を送ることができたと言います。

苦しい過去でしたが、それがあったからこそ真剣に神様を求めました。そして主と出会い、もっと深い喜びを求めて生きる道を発見し、それゆえに競技を楽しめるようになったのです。それどころか、陸上競技引退後も、新しいチャレンジを試み、ボブスレーの選手となって銀メダルを獲得しました。過去を福音によって買い戻した恩恵ではないでしょうか。

このような価値観がこの世にあるでしょうか?それらの大切な過去があるから、今の救いの恵みがあるのではないでしょうか。この世を見下し、この世を切り捨てる歩みではなく、新しい恵みの視点でこの世界を見て、この世界を福音によって買い戻していくお手伝いを、私たちはして参りたいと思うのです。

 

3.最後にキリストは引き上げてくださる 

 
 上にあるものを思いながら、この世界で歩んで行く時、その行き着く先はどこにあるのでしょうか。上にあるものを「思って」終わりではなく、やがてキリストが私たちを迎えてくださり、上へと引き上げてくださるのです。3-4節。 

3節 あなたがたはすでに死んでいて、あなたがたのいのちは、キリストとともに神のうちに隠されているのです。4節 あなたがたのいのちであるキリストが現れると、そのときあなたがたも、キリストとともに栄光のうちに現れます。 

 キリストを信じた時から、私たちのいのちはキリストのうちに大事に守られているのです。何を恐れる必要があるでしょうか。私たちは十字架のキリストと一つにされています。それはもはや、誰にも手を出すことができないものとなったということです。どんな鎧で守るよりも、神様のうちに私たちのいのちが守られている方がずっと安全です

 もはや、この世の誰によっても、私たちの魂を、霊的いのちを、殺すことはできない。せいぜい、この地上用の肉体だけを滅ぼすしかできず、魂はもはや神様の完璧なガードの中に保たれ、どんな邪魔が入ろうと、私たちが天国に入るのをもう止めることはできません。

 このように、神の恵みの中で安心できる約束をしっかり見つめることもまた、上にあるものを覚える人にある恵みです。主が引きあげてくださるとの信頼が、今の私たちに希望をもたらします。私たちのしていることは、天に続いている、つながっている。無駄になるものはありません。むなしく消え去るものに歩まず、上にあるもの、いつまでも残る大切なものに心を向けながら、この地上を神の視点で見る者として歩んでいきましょう。 



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