東村山福音自由教会 ✞ Sunrise Chapel: Ⅱ列王記 18章、Ⅱ歴代誌29~32章「励ましの人・ヒゼキヤ王」
主が人の子らを、意味もなく、苦しめ悩ませることはない。(哀歌3:33)

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2022/10/28

Ⅱ列王記 18章、Ⅱ歴代誌29~32章「励ましの人・ヒゼキヤ王」

*** 10/26(水)祈祷会 説教概略 ***

Ⅱ列王記 18章、Ⅱ歴代誌29~32章「励ましの人・ヒゼキヤ王」

聖書人物シリーズ。本日はユダの王となったヒゼキヤについてです。3節から彼の生涯についてのまとめがしばらく続きます。3 彼は、すべて父祖ダビデが行ったとおりに、主の目にかなうことを行った。 ひどい王も多くあった中、このように語られていることは素晴らしいことです。


1. 偶像を排除し、主のおことばに従った王

 

4節では、様々な偶像礼拝の問題に取り組んだことが記されています。
特に注目すべきは「モーセが作った青銅の蛇を砕いた」ことです。

当時、この青銅の蛇を仰ぎ見る者は、毒蛇に噛まれても死ぬことがありませんでした。それは十字架にかけられたキリストを示すひな形でもありました。けれども、その青銅の蛇自体が大事にされ過ぎて、偶像のようになっていたのでしょう。ゆえに彼はそれをも砕いたのです。徹底しています。このようにヒゼキヤ王は偶像礼拝の問題に本気で取り組みました。そして5-6節ではこうあります。 

5節 彼はイスラエルの神、主に信頼していた。彼の後にも前にも、ユダの王たちの中で、彼ほどの者はだれもいなかった。
6節 彼は主に堅くつき従って離れることなく、主がモーセに命じられた命令を守った。 

彼がこのように歩む姿勢を持っていましたから、主が祝福をくださるのは当然でした。7-8節でもこのように語られていますね。 

7節 主は彼とともにおられた。彼はどこへ出て行っても成功を収めた。彼はアッシリアの王に反逆し、彼に仕えなかった。
8節 彼はペリシテ人を討ってガザにまで至り、見張りのやぐらから城壁のある町に至るその領土を打ち破った。 

主がヒゼキヤとともにおられたのです。そのような人は、どこに行って何をしても栄え成功していきます。実際、ここにあるように、対外政策においても彼は信仰をもって臨み、主の守りのうちに勝利を収めています。ここからも教えられますが、私たちの信仰生活の秘訣は決して複雑で難しいことではありません。子どもたちでもよく理解できるものです。それは主に信頼して、そのおことばに従って生きていくということです。そのように歩む人は、主がともにおられるので、何をしても栄えるのです。

詩篇1篇にありますように、その人は流れる水のほとりに植えられた木のように、豊かな実を実らせる者となります。



2. 神の宮をきよめた王

 
今度は第Ⅱ歴代誌29をお開きください。ここでは、ヒゼキヤが信仰の建て直しの一手として、主へのささげ物を心からすることを導きました。そのために祭司とそれを補佐するレビ人たちに命じ励ましました。5節にこうあります。

5節 彼らに言った。「レビ人よ、聞きなさい。今、あなたがたは自分自身を聖別しなさい。あなたがたの父祖の神、主の宮を聖別し、聖所から忌まわしいものを取り除きなさい。 

礼拝を導く奉仕者たちをまず整えたということでしょう。自分自身を主のために聖なるものとして、罪と汚れから離れるように、偶像礼拝や罪深いものを取り除くよう教えました。ヒゼキヤははっきりと命令するとともに、励ましの人であったので人々も彼について行きました。2912では「そこで、レビ人は立ち上がった」と語られています。ヒゼキヤに説得され、彼らが奮起したのです。

そして15節では、「こうして、彼らは自分の兄弟たちを集め、身を聖別して、主のことばによる王の命令のとおりに、主の宮をきよめに来た。」とまとめられています。

また、30節を見ると、そこではヒゼキヤ王が高官たちと一緒に、レビ人に賛美するよう促すことで、彼らが喜びつつ賛美をささげ、ひざまずいて主を礼拝したことが語られています。

レビ人の聖別、賛美、それに続いて感謝のささげ物をするようヒザキヤは促しました。これらは、より多くの民が主を礼拝するために、宮を整える準備でした。36節にこうあります。ヒゼキヤとすべての民は、神が民のために備えてくださったことを喜んだ。このことが突然のことだったからである。 


3.民を励まし、主に目を向けさせた王

 さて、30に入りますが、いよいよ主の宮が整えられたので、ヒゼキヤはイスラエルとユダの全土に人を派遣して、主の宮に来て礼拝するよう呼びかけを始めました。この呼びかけに人々は応じたのでしょうか。3010-11にその様子が記されています。 

10節 こうして急使たちは、エフライムとマナセからゼブルンの地に至るまで、町から町へと行き巡ったが、人々は彼らを笑いものにして嘲った。
11節 ただ、アシェル、マナセ、およびゼブルンの一部の人々は、へりくだってエルサレムに上って来た。 

 ここから分かるように、一部の人々はへりくだってエルサレムに上り、主にいけにえを献げました。一方で10節にあるように「笑いものにして嘲った」人々もいたのです。時に、まじめに堅くみことばに留まろうとする行為が、バカにされることもあります。それでも、まっすぐに主に従う者たちが起こされる時、そこから神様のみわざが起こります。ブレてはいけない部分、譲ってはならないものがあって、そこは時代遅れだと笑われようと、マイノリティになろうと大切にすべきなのです。

 このことのゆえに12節では、少なくともユダの国には主の御手が臨んで、人々の心が一つにされ、みことばが実行されたと語られています。

 それらの中心にあって、ヒゼキヤは民のとりなし手としても奮闘しました。

 18-20節では、過ぎ越しのいけにえを、身をきよめずにいい加減な方法でささげた人々がいたことが分かります。ただ、彼らのためにヒゼキヤは主に祈りました。18節から19節にかけてのカギカッコがその祈りです。

「いつくしみ深い主よ、彼らをお赦しください。彼らは聖なるもののきよめの規定どおりにいたしませんでしたが、心を定めて神を、彼らの父祖の神、主を求めています。」 

 細かな部分で主のおことばどおりにではなかった。それは落ち度ですが、でもヒゼキヤのこの祈りのうちに「彼らも主を求めているのです」と伝え、フォローしています。

 私たちも兄姉を励まし、愛によって弱さを覆う者とならせていただきたいものです。

 20節によれば、主は祈りに応えて民を癒されたことがわかります。レビ人も祭司も、このようなムードの中で毎日喜びをもって主のご用に邁進しました。そして、ヒゼキヤが彼らみんなに声をかけ、励ましていたことがわかるのです。

22節 ヒゼキヤは、主への務めによく通じているすべてのレビ人に励ましのことばをかけた。 

総理経験者の野田佳彦さん(立憲民主党)が安倍元総理の追悼演説をされました。政敵であり、もはや仇でさえあったと率直に述べ、また、安倍氏の政治について「光」と「闇」とがあることにも触れつつ、バランスの取れた誠実な演説であったと感じます。

その中で「政治家の握るマイクは、単なる言葉を通す道具ではありません。人々の暮らしや命がかかっています。」とのことばに重みを感じました。

本当にそういう思いで語る人たちならば、聞く人々の心も動かされますよね。

そして、彼はその演説の中で安倍さんへ謝罪のことばをも口にしました。街頭演説の際に「総理大臣たるには胆力が必要だ。途中でお腹が痛くなってはダメだ」と話し、その病を揶揄してしまったことは恥ずべきことだと、心からの謝罪のことばを述べました。

これらの演説について多くの人が胸を打たれたと述べています。こうした謝罪も含め、誠実なことばが、結局は人を動かすのではないでしょうか。それを通して、ことばは人を殺しするし、生かしもするものだと改めて思わされました。

 そうであれば神のことばを学ぶ私たちは、尚のこと人を励まし力づけることができるに違いないと思うのです。

 私たちの伝えることばも、人のいのちに関わるものであるはずです。

 もう一つ、彼が励ましの人として用いられた出来事をお話します。32章になりますが、アッシリアの王センナケリブが攻めて来た時のことです。6-8節に彼の激励のことばがあります。 

6 彼は民の上に戦時の隊長たちを立て、彼らを町の門の広場に召集し、激励して言った。
7 「強くあれ。雄々しくあれ。アッシリアの王や、彼とともにいるすべての大軍を恐れてはならない。おののいてはならない。彼とともにいる者よりも大いなる方が、私たちとともにいてくださるからである
8 彼とともにいる者は肉の腕だが、私たちとともにおられる方は、私たちの神、主であり、私たちを助け、私たちの戦いを戦ってくださる。」民はユダの王ヒゼキヤのことばによって力づけられた。 

 本当に力強い励ましのことばですよね。人間的な肉の腕ではなく、ともにおられる方は主なる神様である。主が助け、主ご自身が戦ってくださるのです。

 このようにしながら、ヒゼキヤは預言者イザヤと一致して、主に祈り求め、勝利を得るのでした。彼のエピソードは他にもありますが、ここまでにしたいと思います(罪の側面も語られています)。

 ヒゼキヤ王は「励ましの人」でした。レビ人たちを励まし、その奉仕の喜びを彼らに思い出させました。多くの人々に、主の宮に集まりささげ物をするよう促しました。敵の罵りに屈しないよう、主を仰ぎ見て信頼するよう励まし、民を力づけたのです。私たちのことばもこのようなものでありたいと願うのです。

 



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